SEも特定派遣から一般派遣へ

SEの勤務形態として大きく、自社内勤務と客先常駐勤務があります。客先勤務の形態も大きく、下記2種類に分かれます。

(1)請負の形態
(2)派遣の形態

このうち、(1)の請負の形態についてはIT業界は結構グレーです。請負といっても、本当の請負(という言い方があるのかどうか分かりませんが)は稀で、大抵の場合は『準委任』という形態だからです。この請負については別の機会に取り上げて話をしたいと思います。ここでは(2)の派遣の形態について話をします。

エンジニアの派遣は、つい最近まで大半が特定派遣でした。今でも特定派遣は多いと思いますが、今後は確実に減ります。そして、平成30年の秋にはゼロとなります。なぜなら、派遣法の改正により、平成27年9月30日以降は新規に特定派遣の認可を得ることはできなくなり、新規の派遣事業は一般派遣に一本化されたからです。既存の特定派遣事業者は、平成30年9月29日まで事業の継続が可能ですが、それまでに一般派遣に切り替えをしなければ、派遣の事業として、エンジニアを客先常駐させることはできなくなったのです。

さらに、それまでは派遣事業に関して言うと、エンジニアは高度な技術を持った専門職にあたり特定26業種に含まれていたのですが、法改正以降は、特定業種という区分けもなくなりました。特定業種という区分けがなくなったと同時に、特定派遣という形態は徐々になくなり、3年後は一般派遣しかできなくなったのです。

派遣SEは正社員か契約社員か

一方、派遣されるエンジニアの身分(雇用形態)について見てみると、以前と同じく、正社員として派遣されるケースが多いです。従来でも、特定派遣としてエンジニアが派遣される際には、派遣元の会社では正社員として雇用されているケースが多かったのですが、それはエンジニアの一般派遣になってもその傾向は変わらないと思われます。

ここで、一般派遣について混乱をする人がいるかもしれません。一般派遣というと、リクルートスタッフィングやパソナのような、事務の派遣をイメージしませんか?もちろん、そうした事務系の方々の派遣は従来通りであります。一般派遣の許可を持つ企業で雇用され、事務スタッフとして派遣される形は山ほどあると思います。ただその場合はいわゆる『登録型派遣』の形態で、仕事が決まったら『契約社員』として雇用されていることが多く、派遣先での仕事が切れるとそこで雇用契約も打ち切りとなるケースが多いです。

登録型派遣なので、仕事がない場合は雇用契約が終わり、無収入となります。そのため、派遣会社に並行で2社、3社登録したり自分で就職活動を行い、早く仕事が決まった会社で次の就業を決めるという事になります。

しかし、エンジニアについては、派遣元では正社員として雇用されているケースが多くなります。正社員ですので、派遣先での仕事が終わっても雇用は継続したままです。派遣先で仕事が終わった時点で、『派遣先・派遣元・派遣社員』という関係性は一旦なくなり、立場としては自社内勤務社員か、自社内待機社員という形になります。

社内で受託作業や社内開発の業務があればそちらへ回ることもありますが、社内業務の必要人員が急に増えるわけではないので、多くの場合は社内待機となります。この場合は雇用関係は継続したままで、給与も社内待機の規定に沿って支払われます。と言っても、スキルを持ったエンジニアであれば、ほとんど社内待機にならずに次の業務が決まることが多いです。

このパターンは、正社員として雇用されて特定派遣で客先に出ていたときと同じですね。一般派遣になっても変わらないはずです。つまり、事務スタッフは登録型派遣で、仕事が終わったら雇用関係も切れるの対して、エンジニアは仕事が終わっても登録型のような扱いにはならないということ。その背景には、エンジニアの不足があります。エンジニアは現状もまだ不足傾向にあるので、スキルを持ったエンジニアは自社から手放したくないという思いが強いのです。

とはいえ、登録型派遣をメイン事業にしている、上に挙げたような大手の総合派遣会社は別の話になると思います。ここで説明したのは、ITに特化して社員を雇用している会社、SIerや中小のソフトハウスの話になります。

派遣か否かよりもっと大切なこと

ただし、どのエンジニアも正社員になれるわけではありません。高いスキルを持ったエンジニアのみが正社員や無期雇用の社員として登用され、スキルが低めのエンジニアは有期雇用社員、いわゆる契約社員として雇用されるケースも多いです。

ぶっちゃけて言えば、企業にとって手放したくない人材は正社員、そうでないスキルが低い人材は契約社員という住み分けができると言っても良いでしょう。

ただ実際のところ、ITエンジニアにとってみれば派遣かどうかは、そんなに重要ではないです。ITエンジニアという職種においては、自社内勤務となるケースは少なく、大半が客先常駐型となるのが実情で、これは今後も変わりません。ITドカタと揶揄されることがありますが、ITの現場は建築現場であり、ITエンジニアの仕事は、各顧客先にこそあるからです。

エンジニアとして安心して働くには、どこに行っても通用するような、しっかりしたスキルを身に付け、その後もキャリアアップに励み、IT業界で第一線で働き続けることができる人材として努力をしていくことが必要ということです。

ただし、自分がいくら努力しても会社の方が適切な仕事を割り当てることが出来なければ意味がありません。残念ながら、エンジニアのスキルアップにつながらない仕事ばかり提示する会社は数多くあります。そうした会社で働くことが無意味とは言いませんが、少なくとも将来のことを考えた上で、所属する会社は決めることは不可欠です。自分のスキルやキャリア志向をきちんと確認してくれる会社、その上で見合った案件を提示できるような会社で働き続けることが必要です。

エンジニアとして長く働いていくには、時代に求められるスキルと経験が必要です。エンジニアは高度な専門職の1つですから、『現時点でのスキルセット』を見てシビアに判断される職種です。だからこそ、自分のスキルアップには貪欲でいてほしいと思います。

自分の会社が、自身のキャリアプランに沿った会社なのかどうか、別の会社で仕事についたほうがよりステップアップができるのかは、会社の中からはなかなか見えないものです。キャリアアドバイザーという第三者の目から、客観的な分析とアドバイスを得た上で自分のキャリアについて考えてみることをおすすめします。